テスラボ研究所

テストステロンに関する論文を読み漁る論文男です。テストステロンは、男女共に人生をより良くするための最高の味方ですので、この研究所では日本一詳しいテストステロン研究情報を発信していきます。

正しいオナニーでテストステロンを増加させる方法4選

正しいオナニーができていますか?男性らしさや活力を高めたいと考える多くの男性が、日常の生活習慣の中で「オナニー頻度」や「オナ禁」に注目しています。

 

この行動は、精力を体内に留め、多岐にわたるポジティブな効果を生むと広く信じられています。しかし、この現象に対する疑問や懐疑も少なくありません。一体、オナ禁は本当に男性の活力や魅力に影響を及ぼすのでしょうか?

 

オナ禁によって、肌質の改善や女性にモテるなどの効果が得られるとの話は、多くの男性の関心を惹きつけています。このような話を聞くと、男性としての魅力を高めたい、自己改善を目指したいという願望が自然と湧いてきます。実際、日常の努力だけでなく、より簡単な方法で自己改善ができるなら、誰もがその方法を試してみたいと思うはずです。

 

本記事では、オナニーやオナ禁とテストステロンの関係性を科学的根拠に基づいて掘り下げます。テストステロンは男性らしさの中心とされるホルモンであり、その濃度による影響は計り知れません。オナ禁が本当にテストステロンの濃度を増加させ、男性の心身にどのような影響を与えるのか、明確に紐解いていきます。

 

また、エネルギッシュで魅力的な男性とオナ禁との関係性についても考察していきます。

 

射精とテストステロンレベルの関係

一般的には、射精するとテストステロンが減少すると考えられがちです。しかし、2020年の獨協医科大学の研究では、オナニーの前後でのテストステロンレベルの変化が測定されました。結果は驚きのものでした。*1

 

勃起前から射精の瞬間まで、テストステロンの濃度は徐々に高まり、射精10分後には元のレベルまで戻っていました。これは、性的興奮によって一時的にテストステロンが増加し、射精後に通常のレベルに戻ることを示しています。

 

また1998年のドイツの研究では、射精後30分間、テストステロンレベルに大きな変動がないことが報告されています。この研究では、ポルノ視聴時にオナニーをした被験者のテストステロンレベルを測定しましたが、大きな変化はありませんでした。*2

 

これらの研究結果から、オナニーと射精がテストステロンレベルに大きな影響を与えるとは言えないようです。テストステロンは主に血液を介して全身に運ばれ、各組織で作用します。射精によって血中のテストステロンが減少することはなく、オナニーを我慢することでテストステロンレベルが高まるという証拠は見つかっていません。

 

つまり、オナニーとテストステロンの間には直接的な関連性は少なく、適度なオナニーは健康的な生活の一部であると考えられます。オナニーは自然な性的行為であり、テストステロンレベルに対して有害な影響を与えるという心配は必要なさそうです。

 

オナニーがテストステロンにいい影響を及ぼす理由

オナニーは、私たちの体内でストレスホルモンのコルチゾールを減少させ、リラックスを促す効果があるとされています。コルチゾールは、ストレスや抑うつ感を引き起こすホルモンであり、過剰に分泌されると、テストステロンに悪影響を及ぼします。

 

一方で、オナニーを通じて絶頂に達すると、愛情ホルモンとして知られるオキシトシンが分泌されます。このホルモンは、幸福感を高めるとともに、コルチゾールの分泌量を減少させ、ストレスを軽減する効果があると言われています。

 

なので、オナニー自体はテストステロンにとって間接的にメリットが多くあるのが事実なのです。

 

週1回のオナニーがテストステロンを高める

オナニーがテストステロンレベルに与える影響は、多くの人にとって興味深い話題です。特に、短期的なオナ禁がテストステロンを高めるかどうかについての研究結果は注目に値します。

 

2002年の中国の研究では、7日間のオナ禁がテストステロンレベルに与える影響が調査されました。この研究で、28人の男性がオナ禁を行った結果、7日目にテストステロンが45%増加することが観察されました。しかし、8日目にはレベルが元に戻り、継続的なオナ禁がテストステロンにさらなる影響を与えないことが示唆されました。*3

 

3週間に1回のオナニーがテストステロンを高める

2001年のドイツの研究では、3週間のオナ禁が性行為時のテストステロンレベルに与える影響が調査されました。この研究では、若い男性がオナ禁を行った後、自慰行為時のテストステロンレベルの変化が測定されました。その結果、禁欲前は自慰行為後にテストステロンが低下することが観察されましたが、3週間の禁欲後はこの低下が抑制されました*4

 

さらに、ドキュメンタリー映画視聴後のポルノ視聴で、オナ禁後は通常よりも高いテストステロン濃度を維持していました。これは、オナ禁によって性的興奮の反応が強化されることを示唆しています。

 

 

長期的オナ禁がテストステロンを減らす

長期的な禁欲がテストステロンレベルに与える直接的な影響を調査した介入研究は少ないです。しかし、ED(勃起不全)を持つ男性を対象にした2001年のイタリアの研究が参考になります。

 

この研究では、EDを持つ男性のテストステロンレベルが健常者よりも平均で37%低いことが確認されました。この研究対象者の大多数は定期的なオナニーをしていませんでした。*5

 

そして、研究によると、3か月間の非ホルモン治療後に、月に8回以上の性交に成功した男性グループでは、テストステロンレベルが増加することが確認されました。これは、定期的な性的活動がテストステロンレベルの維持や向上に役立つ可能性を示唆しています。

 

 

まとめ

これらの研究から、短期的なオナ禁がテストステロンレベルに一時的な増加をもたらす可能性があることが分かります。しかし、射精を禁止することがテストステロンレベルを恒常的に高めるわけではありません。

 

オナ禁は一定期間に限ってテストステロンを高めることができるため、特定の状況下での性欲や興奮の増加を目指す場合に有効かもしれません。

 

ただし、オナニー自体がテストステロンレベルに悪影響を及ぼすわけではないため、無理な自己制約は必要ないと言えるでしょう。

 

 

*1:MP78-13 SERUM TESTOSTERONE LEVEL RISES DRASTICALLY AT THE MOMENT OF EJACULATION. 
DOI: 10.1097/JU.0000000000000964.013

*2:Krüger, T., Exton, M. S., Pawlak, C., von zur Mühlen, A., Hartmann, U., & Schedlowski, M. (1998). Neuroendocrine and cardiovascular response to sexual arousal and orgasm in men. Psychoneuroendocrinology, 23(4), 401–411. https://doi.org/10.1016/s0306-4530(98)00007-9

*3:Jiang M. (2002). Sheng li xue bao : [Acta physiologica Sinica]54(6), 535–538.

*4:Exton, M. S., Krüger, T. H., Bursch, N., Haake, P., Knapp, W., Schedlowski, M., & Hartmann, U. (2001). Endocrine response to masturbation-induced orgasm in healthy men following a 3-week sexual abstinence. World journal of urology19(5), 377–382. https://doi.org/10.1007/s003450100222

*5:Jannini, E. A., Screponi, E., Carosa, E., Pepe, M., Lo Giudice, F., Trimarchi, F., & Benvenga, S. (1999). Lack of sexual activity from erectile dysfunction is associated with a reversible reduction in serum testosterone. International journal of andrology22(6), 385–392. https://doi.org/10.1046/j.1365-2605.1999.00196.x